2021年3月6日土曜日

「ブルックリン」


 

「ブルックリン」

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何の映画を観に行った時だったのか、忘れてしまったのですが、
映画館で、偶然「ブルックリン」の予告編を観ました。
シアーシャ・ローナン主演で2016年公開の映画です。

予告編を観ただけで、思わず涙・・・。

すごく観たいけど、たぶん私には痛すぎて観れないかもしれない、
と思っていた映画です。

あれから何年も経って、Instagramで「ブルックリン」の紹介をされている方の投稿を読み、背中を押してもらいました。

なんとなく、映画から観る自信がなかったので、小説から読みました。

舞台はアイルランドの田舎町エニスコーシーと、ニューヨークのブルックリン、時代は1951年ごろから2年間あまり。主人公アイリーシュはエニスコーシーに母と姉と共に暮らす若い娘。女学校を出て、才気はあるが、地元ではろくな職もないので、神父のあっせんでブルックリンに移住する。そしてアイリッシュ・コミュニティの若い娘たちが住む下宿屋に暮らし、デパートの店員となる。しかしホームシックに悩み、簿記の資格を取るために夜学に通い、週末にはダンスホールに行く。そこでイタリア移民の若者トニーと恋に落ちるが、思わぬ事情でアイルランドに帰国する。ブルックリンへ戻るつもりでいたが、地元でハンサムなジムと再会する……。当時の社会と文化の細部を鮮やかに再現し、巧みな会話と心理描写が冴えわたる傑作長編。

「ブルックリン」より参照


アイルランドの閉鎖的な暮らし、ブルックリンに各国から来た移民同士の関係、アイリッシュ・コミュニティの存在など、当時の人々の強い結びつきは、とても窮屈そうで、そして誰に対しても気を抜けない緊張感がありました。
新しい土地での出会いと、故郷の人たちとの間にできてしまった距離感。
細かい心理描写が秀逸でした。


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映画版では、
主人公が着が着ていたアイルランドを想わせる深い緑色のコートが印象的でした。
ブルックリンに馴染んでいくにしたがって、
明るい色の洋服に変化していく様子が、美しかったです。
主人公は絶対にシアーシャ・ローナン
以外では考えられないほどぴったりでした。


ちなみに、私が大学に入学するために上京したのは1994年。
インターネットも知らなかった時代。
最初は携帯電話ももっていなかったと思います。
両親との「4年間でお婿さんを探し、連れて帰ってくる」という約束を
あっさり反故にし、現在も東京で生活をしています。
もう27年も経っているのに、
今でも私にとって「東京」とは、
1994年から1996年ぐらいの「東京」です。

その当時のことを思い出しながら、「ブルックリン」を読みました。

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