「太極拳が教えてくれた人生の宝物」
中国・武当山90日間修行の記
フランソワ・デュボワ
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G師父の言葉。
「ここでは仕事を止めるように。外部との接触もいけない。書くのもだめだ。すべてを止めて、ただ山のエネルギーに身を任せることだけ心がけるんだ。そうすれば、東京にもどったあと、君はすべてが加速度的に進化していくことに気づくはずだ」
「頭が考え事でいっぱいになっている。だから気がさがらないんだ。考えるな。ただ動け」
稽古の意味をすっかり見失ってしまった僕は、
「あなたの言うことを理解するために、僕にあと二十年も稽古をしろというのか」と食ってかかったのだ。
師匠は、即座にこう答えた。
「いや、五十年だ」
「私の頭はいつでも軽い。頭が思いに囚われないから、自分のためにエネルギーを温存できる。君は逆だ。頭はいつも重い。いろんな思いに囚われるから、結局エネルギーがすっからかんだ。いいかい、フランソワ。大切なのは手放すことだ。君はそれを学ばなければいけない」
「音楽は、自分から手に入れようと取りに行っても手に入らない。それをしなくなった瞬間、向こうからやってくるものだ」
「師匠を喜ばすようなことはしてくれるな。一番大事なのは、君自身がどう感じているか、どういうふうに稽古を進め、それに納得がいっているかどうかなんだ。周りを意識しておこなうような行為はいらない。師匠に感心してもらうための行為はいらない」
「もし、私が言ったとおりに、日本でのことも、仕事のことも、何でここに来たのかも忘れ、自分の名前まで忘れるくらいにスッカラカンになれたら、フランソワ、東京にもどったときには、すべてが君の手の中にある」
フランソワ45歳。
G師父、まさかの24歳。
各国から修行にきていた「外国人チーム」も超個性的。
スウェーデンからきたハンスは元テロリスト。
モロッコからきたアスアドは大富豪。
イスラエルからきたジョーイ。
ラトビアからきたママ。
それぞれが色々な理由で、修行にきています。
音楽家であり、能力開発研究家、武術家でもあるフランソワ・デュボワの
武当山での90日。
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