「めぐり逢わせのお弁当」
イルファーン・カーン
ニムラト・カウル
新品価格 |
インドのお弁当、驚異の配達システムに心が躍りました。
この映画、Amazonのおすすめに、ポンっと出てきました。
はい、「今すぐ観る」です。
2013年に公開された映画です。
面白そうだなぁ、と思いつつ、「ダッバーワーラー」という言葉が気になって仕方ない・・・。
そこで、映画を観る前に、まずは「ダッバーワーラー」を調べてみました。
インドでは、オフィスで働く人へ、家庭から職場までお弁当を届けてもらうシステムがあり、その配送を請け負うのが、ダッバーワーラーという職業の人たちです。
各家庭をまわり、お弁当を回収し、お昼時間に合わせて配達。お昼が終わると、空の容器を、また各家庭に戻してくれます。
通勤時にお弁当を持たなくても良いのと、作る側も、朝早くから慌てなくても良いので、便利ですね。
午前中に20万個も回収し、平均6回中継され、目的地へ運ばれます。
すでに100年以上も続くシステムだそうです。
で、何がすごいかって、その精度です。
誤配送は600万個に1つ!
これって、
「シックスシグマ」どころではないですね。
GE(ゼネラル・エレクトリック)社で発展した、製品やサービスの品質管理手法「シックスシグマ」という言葉を、1990年代後半、よく耳にしました。
ジャック・ウェルチの時代。
「シックスシグマ」は、100万回に3.4回のミスに抑えようという目標です。
ダッバーワーラーの人達は、この目標を余裕でクリアです。
シックスシグマの伝道師、マスター・ブラックベルトも真っ青の
ベストプラクティスですね。
しかも、お弁当箱に書かれたマークと数字だけで識別する超アナログ方式なんです。
他にも、就業規則やチームの作り方など、すごく合理的で、
私は映画を観る前から、このダッバーワーラーのシステムにすっかり心を奪われてしまいました。
かなり期待が上がったところで、ようやく本編へ。
「めぐり逢わせのお弁当」は、この600万個に1つの、間違えて配達されたお弁当から始まる物語です。
定年間近で独り身のサージャンのもとに、主婦のイラが旦那さんの心を取り戻すために作ったお弁当が届いてしまい、2人の文通が始まります。
とても、しっとりした大人のストーリーだと思います。
主演のイルファーン・カーン、素敵ですね。
(インドのお受験を題材にした「ヒンディー・ミディアム」もすごく良かったです)
4段重ねのお弁当、美味しそう~!
映画のなかで、このお弁当配達自体がテーマになっているのかと期待してしまったのですが、2人のお弁当を通した交流がメインでした。
でも、イラが配達の人に、「お弁当が間違った人に届いている」と言うと、
「間違うわけない、絶対に!」
「ハーバードの人が配送システムの研究に来て完璧だと褒められた!」
と、胸を張って言っていました。
歌も踊りもなし。
「人は時々、間違えた電車でも正しい場所に着く」
静かで、心に沁みるラストでした。
本音を言うと、もうちょっとダッバーワーラーについて知りたかったのですが、
今まで観たインドの映画の雰囲気とは、ちょっと違っていて、すごく新鮮でした。
あの4段重ねのお弁当箱、いいなぁ。
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