「禁城の虜 ラストエンペラー私生活秘聞」
加藤康夫
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1987年に公開された映画「ラストエンペラー」
「ラストエンペラー」と聞くだけで、
坂本龍一の音楽と、
3才にも満たない溥儀が即位するシーンが
思い浮かびます。
紫禁城太和殿の前に整然と並ぶ人々が、
一斉に叩頭するシーンは壮観でした。
映像の美しさと音楽、
溥儀の波乱万丈な生涯に魅了されて、
私は10代20代と、
この映画を何度も観ていたんですが、
実は全然この時代の歴史がわからず・・・。
特に、紫禁城を追われた溥儀が、
満州で再度皇帝となった時、
皇后の婉容が泣きながら
蘭の花を食べるシーン。
強烈に印象に残っています😱
婉容がすごく美しいから、
余計に怖いんですよね😖
でも歴史がわからないせいか、
なぜ婉容が泣いているのか、
なぜ婉容どんどん壊れていくのか、
私にとっては、大きな謎でした。
この花を食べるシーンは、
「危険な情事」で、
グレン・クローズが
電気をつけたり消したりするシーンと同じく、
私にとって、
記憶に残る怖いシーンです😖
大学時代には、
愛新覚羅浩(嵯峨浩)の
「流転の王妃の昭和史」を
読んだのですが、
それ以外の本は読んだことがなかったな、
と思い、
図書館で溥儀に関する本を探してみました。
まずは、
映画の原作となった溥儀の自伝、「わが半生」
これを読もうと思ったのですが、
上下巻、
さらに1ページのなかでも、
上下にわかれてる~😂
いつかは挑戦したいけど、
いまは読めない気がして、
思わず
そっと本を閉じる・・・。
そのほかにも、溥儀や后妃、その側近の人たちの本がたくさんありました。
どれも面白そうなんですが、一番初めに読んでみたいと思ったのが、
この「禁城の虜」でした。
洋装をしている溥儀が、
ちょっと珍しくて、
おしゃれだなぁと思いました。
(28歳頃の写真だと思います。)
この本、まさに「宦官は見た!」です。
溥儀が紫禁城の特殊な世界で育っていく様子や、
溥儀と、婉容を始めとする夫人たちとの関係、
そして宦官や女官の様子などが描かれていて、
美しくもあり、グロテスクな世界でした😵
宦官は
何から何まで見ているんですねぇ👀
参考文献には、
私が読みたいと思って借りた本も
書いてあったので、
溥儀に関する本のダイジェスト版のような
感じだと思います。
溥儀の61年の生涯が、
凝縮されていて、
この本を読んでから、
久しぶりに映画も観たのですが、
以前よりよくわかるようになりました。
そして、
婉容についても、
なぜ精神を病んでいったのかがわかりました。
あの花を食べるシーンについては、
Wikipediaに以下のようにありました。
無残に毟られ食べられる蘭は
満州を象徴する花であり、
美貌の妃が流す涙に
満州国の運命が暗示される。
すごく象徴的はシーンだったんですね。
映画が公開されてから34年。
今観ても、
やっぱり良い映画だなぁと思いました。
映画らしい映画、という感じがします。
そして、
初めてこの映画を観た昭和の終わり頃を
思い出してしまいます😌
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